社内外で読書会を開催するときのパターンあれこれ
いくつか読書会を開催してきたので、振り返りも兼ねてそれぞれの良いところと悪いところをメモ程度にまとめてみる。自分がやってきてこうだった、という内容なので、他のもっと進行がうまい人がやったなら違う結論になりそう。参考程度に。
分類名や分類の仕方は適当。もっと適切な名前あるかも。
読書会のいいところ
まず最初に読書会の意義について。
- インプットもアウトプットもあり、フィードバックももらえる
- ひとりでは辛い本を読むモチベーションになる
- ひとりだとついつい読み飛ばしてしまうところをじっくり考える機会になる
- 自分が感じたことや、自分の意見をまとめて言葉にする練習になる
- 自分とは全然違う意見を聞いて議論することができる
- 共通言語ができる
交流会
本を持ち寄って、ご飯食べたりお酒飲んたりしながらワイワイ本について話す。
一人ずつ自分の持ってきた本を5分程度で紹介する時間などを取ると会も引き締まって良い。交換会は、いらない本持ち寄り会になる場合もあってなんともなーという感じになることもある。
少人数から大人数まで対応可能。
良い点
- 楽しい
- 普段興味のない本に触れることができる
- いろいろな意見や考え方を聞くことができる
- 短い時間で本を紹介するには読み込む必要があり理解が深まる
悪い点
- 趣味が合わない人が多いと辛い感じになる
- 主に紹介と雑談なので特に結論が決まるということがない
毎回違う本好きなメンバーとワイワイして、刺激を受けるのにおすすめ。
その場で読む読書会
予習は不要。参加者はそれぞれ本を持ってきて、その場で読んで、感想や意見を言い合う方式。10人程度が限度。
読みながら話してもいいが、読む速度が違う人がいると話が合わないので、節とかページで区切って全員が読み終わってから話すのが良い。
その際、札みたいなものを用意して、読み終わったら札を倒す方式にすると全員が読み終わったのが分かりやすくてよい(立てるより倒すほうがわかりやすい)。
また、全員が読み終わるまでの時間を記録したり、会が終わったときに読み終わったページ数を記録するのを続けると、だんだんと読む速度が上がっていくのがわかって楽しい。
良い点
- 事前の予習がいらないので、忙しい人に向いている
- 予習に合わせて話す必要がないので、じっくり話したいところに時間を割いたり、盛り上がらなかったらひたすら読み進めるみたいなことができる
- 疑問点をすぐに解消できるので、わからないまま次を読むことがない
悪い点
- 小出しに読むと分からない系の本には向かない(逆に技術書とかは良い)
- 読む速度が遅い人が遠慮しがちになる
- 問題提起をしたり積極的に話す人がいないと、「うん、なるほどね…」みたいな感じで終わりやすい
- 参加者全員が本を持っていないといけない
事前に読む時間が取れない場合や、関連する話や事例などをじっくり吟味して話し合いたいときにおすすめ。
輪講形式
大学のゼミとかでよくやるアレ。
章ごとに担当を分け、担当者が本の内容を発表・講義する。他の参加者は、発表を聞いて質問したり意見を言ったりする。発表者の内容が正しいとは限らないので、良さそうだなと思ったら、原本を読むことが必要。ただ、ある程度理解した状態で読めるのでスイスイ読める。
全員がある程度、興味を持った本を対象にすると良い。意識の高い人たち向け。
良い点
- 本を読む負担が分担される
- 本を回し読みできる
- 発表者は、内容を要領よく的確にまとめる訓練になる
- 後日、本を読むとしても大体の内容が頭に入っているので楽に読める
悪い点
- 発表者が間違えた場合に、全員が間違えた解釈をしてしまう場合がある
- 発表者によってクオリティが違いすぎる
- 発表者以外はだらけるリスクがある
同じ目的や問題意識を持ったメンバーで難しめの本を読むときにおすすめ。
全員が読んでくる会
輪講形式と違い、参加者全員が対象の本を事前に読んで、議論する。本の内容や分量によっては章ごとに分けて1冊の本を何回かに分けて読む場合もある。一冊丸々の場合は、盛り上がり具合によってすごい時間になることがある。逆に盛り上がらないと時間が余ってしまうので、ちょっと余らせるぐらいの分量を予習するようにしておいて、話が長引いたら次回、にすると良い。
予習がかなりアレで、開催頻度が高いと大分つらいので週一はおすすめしない…。
良い点
- 事前に自分の意見をまとめておくことができる
- それぞれが自分のペースで読むことができる
- 全員がある程度理解していることを前提に議論が進むので深い話ができる
悪い点
- 予習の時間が必要
- 予習ができなかった人がついてこれない
- 意識を保つのが大変
- 参加者全員が本を持っていないといけない
深い議論がしたくて、予習の時間を取る時間/意欲があるならおすすめ。
ワークショップ形式
本を読むのはおまけ程度で、本を実践するのを主眼に置いた会。
読み方は特に決まっていないが、実際に自分で読んだほうが実践しやすいので、「その場で読む会」または「全員が読んでくる会」が良さそう。輪講形式は、先生(発表者)の言ったとおりに、みたいな感じになりやすい感がある。
実際の実務に密接に関わった本を選ぶことが多いし、そうしたほうがモチベーションあがる。
実践する内容によるが、1日かかることもあれば、実際に業務で試してみてどうだったかを発表するみたいなのをやることもある。
良い点
- 楽しい
- 実践するので身につきやすい/理解が深まる
- 読むだけでは分からなかった問題に気づくことができる
悪い点
- 本の選定が難しい
- 社外の人とやるときはなかなか事例を出しづらい
- 内容によっては一回でも休むとついていけないことがある
実際に手を動かして何かしたいときにおすすめ。
まとめ
自分はやっぱり一番やってるっていうのもあるけど、その場で読む会が好きだなあ。
他の人が開催してくれるならワークショップ形式や交流会は楽しいので参加したい。
輪講形式は、それに向いた本やメンバーがいれば全然やっていけると思うので、これから数を重ねていきたい分野。